「十人十色」ってアメリカのことわざらしい

“Different strokes for different folks”(異なった民族には異なったほめ方がある)

 

20世紀後半のアメリカ発祥のことわざらしい。

なんか格好良いから英語で本文を始めたワケですが、異なった民族と言えば、私の彼はベトナム人でして、日本人である私とは異なった民族なワケであります。

 

異なった民族と生活を共にしているとですね、面白い気付きや語らいが時たまあったりするのですよ。今日はそのことについて書こうと思います。

 

最近休日の朝に新しいアルバイトを始めた私なのですが、接客する機会もあってね、久しく接客する仕事をやってこなかったもんだから、まぁ緊張もするし疲れるわけ。

その話を彼にするとさ、「日本人は丁寧すぎるから疲れるんだよ」と。

そういうもんかなぁって私があんまり納得できずにいると、

ベトナムではね、お店で、お客さんからお金を「貰う」は言わない。お客さんからお金を「取る」って言う。だってお店はお客さんが欲しい物をあげてるから、お客さんがそれにお金を払うのは当たり前」

 

へぇ〜〜〜〜

日本のお店の人は基本的に皆とっても丁寧。「お客様は神様」なんて言葉もあるくらい。でもベトナム、いや、日本以外の国ではなかなかそういう考えにはならないらしい。

 

以前韓国に旅行に行った時、コンビニの店員さんが携帯をいじりながら、私がレジにものを持って行っても目一つ合わせず、勿論お礼も言われず、お会計を済まされた経験があった。でもそれはきっと韓国では「当たり前」。なんとなく嫌な気持ちになるのは、それが当たり前じゃない日本で生まれ育ったからなんやろなって思う。

 

だからと言って、ベトナムや韓国の人が冷たい人ばっかりということではない。

「困ってる時に助けてもらった時は、「貰う」。有難いことをしてもらった時も、「貰う」。その時はちゃんと「ありがとう」って言うし、お礼もします」

 

「日本で丁寧なのはお店の人だけじゃないね。普通の仕事でも思います。例えば、先輩が後輩に仕事を教える、男の人が率先して重いものを持つ。そんな時、「ありがとう」よく言われる。いつも「なんでありがとう?」思う。それはベトナムでは普通。私、仕事していますから、あなたからお金を貰ってしている仕事じゃないし、いつもその「ありがとう」言われると複雑な感じ」(ちょっとカタコト風なのは彼の喋り方を真似てます🤭)

 

これもまた、ほぉ〜〜〜〜。

「ありがとう」って、いい言葉だけど、あまりにそれを言われすぎるとその大切さを感じにくくなるというか、なんかそういう感じなんかな。

 

あとは、上下関係についてだとか。彼は年上にも年下にも知り合いがよくいる方なんやけど、年齢というより、尊敬できるかできないかで相手との接し方が違うように思う。年が上であっても、自分より視野が狭いとか、仕事ができないとか。金銭や地位というより、「能力」において人への優劣みたいなものをつけてる感じがする。

しかもそれを本人に直接言う。

 

日本人は、相手に何かしらの優劣を感じたとしても、外面的なものを優先するから、心に留めておいたり、同じくらいのレベルだと思う人と陰口したり、直接は言わない、言えない人が多いように思う。

 

そんでもって、それは「仲の良い友達」に対しても同じ。

友達って、どこまで言って良いかって難しく思うことが多いけど、彼は「友達だからこそ、良いことは良い。ダメなことは注意してあげる」その考え方が強いみたい。多分きっと、彼だからというわけではなく、大体のベトナム人はそうなんじゃないかな、と。知り合いのベトナム人は彼だけでないので、男女問わず、「この人達ズケズケ言うてくるなぁ」って思うことも何回かあったし。

 

接客疲れの話から大きく逸れてしまったけど、大きくまとめて「人との付き合い方」、それに伴う「言葉の使い分け」が日本とベトナムでは違うんやなぁと感じたなんでもない日の小さな気付きでした。

 

日本の丁寧な接客、謙虚な心は海外からも絶賛されることが多いし、とても素敵な文化やと私も思うけど、

あくまで「自分ファースト」な考え方が生まれつき備わっていて、それが当たり前の国で育ってきた彼らのことを、少し羨ましく思う私もいたもんで。

 

そうは言っても私は日本で生まれ、日本で育ち、今もこうして日本で働いているわけですから。この文化にはあまり逆らわず、皆と同じようにしていれば安牌という気持ちもあるので今更大きく路線変更なんてことはできないけれど、

対人関係でちょっと自信がなくなったり、気弱になってしまった時は、「自分ファースト」精神で乗り切っても良いんじゃないかなぁと。謙虚過ぎず、自分の思いをちゃんと伝えられるようになればなぁ、と。

 

人と上手に付き合っていくというのは難しいことですな。

合う人もいれば合わない人もいる。考え方、好き嫌い、能力性格いろいろ、

まさに十人十色でございます。

 

皆さんも、自分が疲れてしまわないように。自分のこともちゃんと守ってあげてね。

優しい人たちが心身健やかにくらせますように。